レーザーマーカー

レーザーマーカーとは

レーザーマーカーとは対象物に触れることなく印字を行うことができるマーキング機器のことです. 非接触であること,インクなどの消耗品を使わないことが特徴になります. レーザーは強さや波長によって対象物を破損させてしまう可能性があるため,対象物によってレーザーの種類を選ぶことが肝要です. 原理としてはレーザーを使って,表面を焼いたり,溶かしたり,剥がしたり,物質を変化させたり,削ったりすることによって,色を発現させます. 用途によって,UV(紫外線)レーザーやCO2(炭酸ガス)レーザー,YAGレーザーなど様々なレーザーがあります.

以上のような条件により選択するレーザーマーカーは変わってきます.

種類別レーザーマーカー

ファイバーレーザーマーカー

固体レーザの一種で中心に希土類元素Yb(イッテルビウム)が添加されている光ファイバを使って増幅して放出するレーザーマーカーです. 光ファイバによって出力されるので集光性に優れたレーザーとなります. 増幅されるので小型で消費電力を低く出来ます. 半導体レーザーが励起光源なので長寿命になります. ハイパワーなので基本金属を削るイメージです.

YVO4レーザーマーカー

ネオジウム:イットリウム・四酸化バナジュームを用いた固定レーザーです. 基本波長 1,064nm のレーザーです. ファイバーレーザーとの違いはピークパワーとパルス幅にあり,YVO4レーザーは高ピーク,低パルスなので熱ダメージを抑えた高発色・低ダメージの微細なマーキングに適しています. 金属に印字するがなるべく削りたくない場合に使用するイメージです.

YAGレーザーマーカー

ネオジウム:イットリウム・アルミニウム・ガーネットを用いた固定レーザーです. 波長はCO2レーザーに比べて10分の1程度(1,064nm)で金属素材に対する吸収率が高い上に細く絞り込むことができる特徴をもっています. この 1,064nm の基本波に高調波結晶素子を通すことにより短波長を取り出したものがグリーンレーザーやUVレーザーになります. 金属を刻むようなある程度強いマーキングに適しています.

UVレーザーマーカー

基本波長の三分の一の 355nm の紫外線レーザーを使用するため,素材に対する吸収率がよく,熱の影響が少なくなります. グリーンレーザーよりさらに波長が短いので,さらに金,銀,銅への加工や半導体への超微細加工や浅彫での非熱加工も可能です.

グリーンレーザーマーカー

基本波長の半分の 532nm のグリーンレーザーを使用するため,熱の影響が少なくなります. そのため高品質な印字が実現できます. 低出力でも金属への吸収率がよいため浅く削る印字が可能になっています. 金,銅への加工や小さい電子部品への超微細加工や非熱加工も可能になりました.

CO2レーザーマーカー

二酸化炭素(炭酸ガス CO2)を活性化させて遠赤外線のレーザー(波長 10600nm)を出力します.つまり熱により対象物を変化させる仕組みとなっています. 紙・樹脂・ガラス・セラミックなどが主な対象物です. マーキングに使う場合は弱めのレーザーと考えてよいでしょう. 封じ込めタイプの炭酸ガスを使っている場合でも,劣化・遺漏があるので再充填の必要があります.

レーザーマーカー参考ページ