Oリング

Oリングには動く場所に使うもの(パッキン)と動かない場所に使うもの(ガスケット)があります.

パッキン・ガスケットにはたくさんの種類がありますが,ここではその中でもOリングに関して説明します. ゴムパッキン・樹脂パッキンとしてはリップパッキンと呼ばれる環状のパッキン,Oリングも属するスクィーズパッキンが存在しています.

Oリングを選定する際には以下のようなことを考える必要があります.

Oリング性質分類

以下の区分は利用する側の視点にたって作成されています. あくまでも参考値なので実際に使用する際には商品ごとに確認してください. 環境温度は使用流体によって変わります.

種類
説明
耐油 耐水 耐熱
耐寒
耐候 機械
物理
強度
耐摩耗 密閉
ニトリルゴム
(NBR)
一般的なゴム材料であり,適度な弾性を持つためシール性能が高く,耐油性に優れる. -30℃~+100℃
水素化ニトリルゴム
(HNBR)
NBRを水素添加で改良したもの.耐熱性・耐候性の性能をアップさせている. -30℃~+140℃
シリコンゴム
(VMQ)
耐熱性(最高200度程度),耐寒性(最低-50度程度),耐候性に優れているが,機械的強度は低い.一般的なゴム材料であり,適度な弾性を持つためシール性能が高く,耐油性に優れる.シロキサンを使用しているので,揮発により電気・電子回路で接点不良などが起こる可能性があるので留意する必要がある. -50℃~+200℃××
クロロプロピレンゴム
(CR)
機械的強度・耐候性に優れ,それ以外の特性に対しても平均的でバランスが良い.難燃性・接着力が強い.ガス透過率が低い. -35℃~+110℃
エチレンプロピレンゴム
(EPDM)
耐薬品性・耐寒性・耐オゾン性・耐老化性にすぐれた合成ゴム.比重がゴムの中では小さい.オゾンに強く老化しにくい. ×-40℃~+130℃
アクリルゴム
(ACM)
ニトリルゴムよりもやや耐熱性に優れています.耐油性に優れており,エンジン油やギヤ油のシールに適している. -20℃~+160℃
フッ素ゴム
(FKM)
シリコンゴムよりも耐熱性が高く(最高200度程度),耐油性,耐薬品性にも優れる. -15℃~+200℃×
四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)
フッ素樹脂ともいわれるが,通称テフロン(デュポンから独立したケマーズの登録商標).耐薬品性・耐オゾン性・耐候性に優れ,また最も摩擦が少ない樹脂(プラスチック) -150℃~+250℃×
パーフロ(FFKM)
パーフルオロエラストマー.最も耐薬品性・耐熱性に優れたゴム.フッ素ゴムの上位バージョン.非常に高価. -100℃~+300℃
フッ素樹脂被覆ゴム
すべり性・耐薬品性・耐熱・耐寒性に優れ,ゴムなので弾性も持つ. 0℃~+260℃

種類別Oリング

Oリングの特徴別に取扱のあるメーカー・商社をご紹介します.間違いやリンク切れなどがあれば下のフォームからご連絡いただけますと幸いです.

一般的なOリング

ここではホームセンターなどでも入手できる一般的なOリングに関して紹介します.

一般的なOリング 取り扱いメーカー・企業一覧

特殊なOリング

複数の種類の薬品に対応せざるを得ない時などに使われる PTFE, FFKM, フッ素樹脂被覆ゴムなどに関して紹介します. コストは高くなりますが,その分全てにおいて一般的なOリングより強くなります. フッ素樹脂被覆ゴムは表面に被覆を施したタイプなので値段は少し安くなりますが,可動部には向いていません.

特殊なOリング 取り扱いメーカー・企業一覧

Oリング 参考ページ・参考文献